離陸後、水平飛行に入ってシートベルト着用のサインが消えてあまり時が経たない頃
「お医者様、いらっしゃいませんか?」
何度か同じアナウンスがあった。
初めて機上で聞くドクターコール。
私たちからやや近い座席に、急病の女性がダラリと座る姿が見える。
客室乗務員が酸素吸入の器具を抱えて通路を走る・・・・
意識障害、または意識がないんかなあ?
だからドクターコールなんやろうか?
この急病の女性、お連れの人は誰もいないみたい。
そしてどうやら機内にお医者様、いない様子。
ああ、搭乗地に引き返すしかないんかなあ・・・などとぼんやり思っていたら
若いアジア系の青年二人が急病の女性の席に来て、脈拍図りながら客室乗務員としばらく話す姿が見えた。
看護学生らしい。
清々しかった。
本当にこの日乗客の中にお医者様がひとりも乗り合わせていなかったのか、いたのか、それはわからない。
看護学生だというこの若い青年二人に私は大きな拍手を送りたかった。
テキパキと周囲の乗客に協力を求めながら、冷静に急病人のケアにあたる客室乗務員たちにも頼もしさを感じた。
結局、この女性の急病は大事に至らなかった様子。
予定通りに目的地に到着できて、やれやれ。
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