「藤娘」というあだ名の母方の叔母が先日老衰で静かに旅立ったと昨夜従姉妹から連絡がありました。
母の兄弟姉妹は母を含めて6人。
下から2番目の私の母が一番先に亡くなり、その後次々とあの世へ。
若くしてこの世を去った兄弟姉妹の寿命をもらったようにひとり長寿だった「藤娘」。
「藤娘」は日本舞踊を習っていた頃に、発表会で「藤娘」を舞いました。
あの頃「藤娘」はいったい何歳やったんやろう? よく覚えてないけど、「藤娘」を舞うに相応しい年齢ではなかったことは確か。
発表会の後、その晴れ姿を記念テレホンカードにして周囲に配り、私もその一枚を一時帰国していた際に「藤娘」からもらいました。
顔面かなり厚く白塗りした不気味な晴れ姿に絶句したことをよく覚えていてね。
それ以来、勝手にこの叔母を「藤娘」と呼んでます。
オーストラリアではもちろん使えない日本のテレホンカード。
だけど、私の財布のカード入れの奥には「藤娘」の晴れ姿記念テレホンカードがずーっと入ったまんまなんです。
今朝、久しぶりにそのテレホンカードを財布のカード入れから取り出して、「藤娘」の晴れ姿を見てクスッと笑った。笑った後にちょっと泣いた。
もう一度会って子供の頃からずいぶん可愛がってもらったお礼をきちんと言いたかったのに。
私は一度もスリなどの被害に遭うことなく財布をなくすこともなく、ここオーストラリアのメルボルンで長年安全に過ごしている。
きっと財布の中の「藤娘」テレホンカードが魔除けとしての効力を大いに発揮してくれているのでしょう。
「藤娘」が亡くなり、これで母方の叔父と叔母全員あちらで顔が揃ったことになります。
(いや、あちらって行ったことがないのでどんな場所なのかよくわからんのですが・・・)
願わくば私の母含めて一族郎等が「藤娘」を”あちら”で迎えながら「あんた、遅かったな〜!」となどと叔父(藤娘の夫)がまず冗談を言い、「藤娘」も「いや〜 時間かかったけど、やっと着いた、着いた・・・」などと”あちら”の玄関口みたいな場所でワイワイ賑やかにしているといいな。
少し前に「藤娘」から譲ってもらった花瓶に今日はお花を生けよう。
「藤娘」に捧ぐ。
”このテレホンカード、ずーっとこれからも大事に財布に入れてるからね〜”
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