実家の近くに回転寿しと普通の寿司屋のちょうど「真ん中へん」みたいなお店がある。
お寿司は確かに回ってるけど、壁に「本日のおすすめメニュー」の短冊が沢山貼ってあって板前さんに直接注文できるのだ。お手頃価格で美味しいんよ。
お昼にひとりで歩いてそこへ行った。
まず鯛のあら煮を注文した。そして生チューも。
年を重ねるのも悪くない。ひとりでもこういうの、平気平気。
あら煮の頭部分からお箸を入れてまず一口目。
あれ? 妙に冷たい。
冷たいと言っても、温かいものが時間経ってちょいと冷めた冷たさではなくて
まだなんとなく半解凍っぽい冷たさ。
「いやいや、そんなはずはないやろう。生チューがキンキンに冷えてたせいかなあ?
私の口がおかしいんかなあ?」
などと謙虚に自分をまず疑いながら二口目・・・
やっぱり変てこりんな冷たさ。もう三口目に進む気がしない。
でも、鯛のあら煮は食べたい。どうしよう、どうしよう??
意を決して店員さんに説明して、温め直してもらうよう丁重にお願いした。
「もう一度チンしてください」とは言わなかったよ、いくらなんでも。
店員さんは平身低頭であら煮のお皿を下げて、数十秒経った頃に板前さんたちとウエイトレスさんたちがどうもザワザワしている。
「温め直して下さいってお願いせんほうが良かったかなあ?」などと私の心もザワザワ。
板長兼店長らしき人が、回転しているベルトの向こうから私にやや大きな声でこう言った。
「どうもすんません。うち、回らないホンマモンの寿司屋とちゃうんで.. こらえてな。ちょっと待って。今、作り直しまっさ!」
謝りながら本人も笑ってるし、周りのお客さんも笑ってるし、何より私の笑いが尾を引いた。
いや、ここ回ってるけど寿司屋やろう?
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